■ROI設定(ビニング)について

 この項では、ROI設定により、フルフレームCCDで、どのような動作が行われるのかを簡単に解説します。

 いま、横15ピクセル、縦9ピクセルのCCDがあるとして、横方向は、分光器により分光(波長分離)されているとします。

 

 これをFull Binningした場合(Acquisition- EasyBin でAllを選びます)、CCD上の電荷は、右図のようにスリット方向に順に送られ、シフトレジスタの部分で加算させられます。次に、シフトレジスタの値が、(アナログアンプを経て)順にA/D変換器により読み取られます。

  このシフトレジスタでの加算は、ハードウェア的に行われ、読み取りは、1度だけで済むため、読み取りノイズは、スリット(縦)方向の大きさに依存しません。

 

  上記の図から、読み取り中にCCDに光があたると、画像が流れる事が容易に理解できると思います。このため、通常、フルフレームCCDでは、シャッターを使用します(PI-MAXの場合、I.I.が電子シャッターとなります)。

 もし、測定光がパルス光で、それと同期してCCDを動作させる事が出来れば、シャッターは不要です。

 

■ソフトウェア・ビニングについて

 

 輝度が大きな光を測定する場合に、上記のようにハードウェア的にビニングを行う事が出来ない場合があります。

 これを避けるには、ソフトウェアビニングを用います。これには、Experiment Setupメニューの中のROI Setupの中でROISTOREする際に、”Use Software Binning”のチェックを入れます。

 ハードウェア・ビニングは、上記の図で、スリット方向に1ピクセル分シフトレジスタに電荷を移動し、読み出し、また、移動し・・・、と言うサイクルを縦方向のピクセル分だけ繰り返します。

 このため、読み出しノイズは増えますが、貯める電荷の量(光量)は大きくなります(光が強い場合、読み出しノイズは無視できます)。

 ソフトウェア・ビニングを行うには、高速なA/D変換器を使用する事をおすすめします。